若手弁護士の情報法ブログ

某都市圏で開業している若手弁護士が日々の業務やニュースで感じたこと、業務において役に立つ書籍の紹介等を記していきます。情報法・パーソナルデータ関係の投稿が多いです。

【書籍紹介】「個人情報保護法の解説」:真打登場

園部逸夫・藤原靜雄編集、個人情報保護法制研究会著 「個人情報保護法の解説」(第二次改訂版)

ぎょうせいオンライン / 個人情報保護法の解説 第二次改訂版

 

改正個人情報保護法に関する膨大な数の書籍が出ている中、満を持して立法担当者による逐条解説が出ました。

 

本書は5部構成となっており、第1編が個人情報保護法や改正部分の概要、第2編が法律制定や改正に至る背景、そして第3編がメインである逐条解説。第4編が GDPRの概要、第5編が条文等の参考資料です。

 

第2編の背景の説明はコンパクトながらも丁寧に書かれており、そもそもなぜ個人情報保護法が制定されたのか、改正はどのような経過を辿ったかを理解することができます。

 

逐条解説の部分もそれぞれの条文の趣旨や要件等を分かりやすく記載しています。法律の条文だけでなく関連する政令ガイドラインの該当部分も引用しているので、一覧性があり非常に便利です。

 

更に、GDPRの解説もついているのがありがたい。ページの関係で概要だけの解説になっていますが、重要なポイントは押さえられています。個人情報保護法制を検討する上でGDPRを抜きにしては考えられないことが改めて分かりました。

 

今後、個人情報保護法関係で調べ物をする際には真っ先に参照すべき本になるでしょう。