【書籍紹介】Q&Aで分かる中小企業のためのM&Aの教科書
M&A専門会社の社長が著者で、M&Aについてよくある疑問に対して回答する形でまとめられた本です。
専門書というよりは、M&Aを考えている中小企業の経営者向けの入門書という位置づけです。
この手の本では、著者の営業の手段として、自社がいかに優れているかをアピールする傾向が強いように思いますが、本書はよくありがちな自己アピールは強調されておらず、比較的落ち着いた内容で淡々と説明をしています。分量はコンパクトですが、M&Aに関する重要な点はほぼカバーされており、これを読めばM&Aの全体像がイメージできるようになります。
弁護士がM&Aに関与する場合は、秘密保持契約書・基本契約書といった契約締結、法務デューデリジェンスという場面が多く、関心も法務面に集中しがちですが、本書はそもそも何のためにM&Aをするのか、M&A実施後に円滑に業務が進むために心がけること等、より幅広い視点での記載が多く、参考になりました。
弁護士が読んでもためになりますが、顧問先等でM&Aに興味を抱いている経営者にも勧められる本です。