若手弁護士のつぶやき

某都市圏で開業している若手弁護士が日々の業務やニュースで感じたこと、業務において役に立つ書籍の紹介等を記していきます

書籍紹介 水野佑「法のデザイン」

水野佑「法のデザイン」(フィルムアート社)

法のデザイン?創造性とイノベーションは法によって加速する

法のデザイン?創造性とイノベーションは法によって加速する

 

クリエイターやデザイナー・アーティストらの権利擁護の業務に携わっておられる水野佑弁護士による著書です。

規制を守らせる・強制させるといったネガティヴで堅苦しい(もっと言えば鬱陶しい)というイメージで語られがちな法ですが、本書では法の持つ可能性・柔軟性に着目して、未来が予測しづらい高度情報社会において法を活かすことでイノベーションに寄与できることが語られています。

現代は有史以来、技術の発展と法規制の乖離が最も激しい時代であり、規制が追い付いていない法の「余白」について契約で柔軟に定めること(法をデザインする)の重要性が強調されています。

 

その上で、写真、音楽といった文化産業から不動産、家族に至るまで、幅広いテーマについて現状見られている新たな動きと今後の動向について著者の分析と予測が示されています。

 

弁護士業務においてブレーキやストップをかける方向に法を使うことが多く、関係者から煙たがられ、仕事のモチベーションが上がらないこともあります。もちろん、致命的な結果にならないようストップをかけるということは重要ではありますが、未開拓の分野において法を「デザイン」することは非常に魅力的だと感じました。

 

時代の最先端で奮闘している弁護士の斬新な発想に触れ、日々ルーティンワークとなりがちな弁護士業務の未来の可能性を感じさせてくれる本です。