若手弁護士のつぶやき

某都市圏で開業している若手弁護士が日々の業務やニュースで感じたこと、業務において役に立つ書籍の紹介等を記していきます

書籍紹介「建築瑕疵の法律と実務」:法律と建築の基本がわかる

 岩島秀樹他「建築瑕疵の法律と実務」(日本加除出版)

建築瑕疵の法律と実務

建築瑕疵の法律と実務

 

建築瑕疵の訴訟は知財医療過誤、税務等と並ぶ専門訴訟です。建築瑕疵事件のハードルが高い点は、建築請負分野における法律構造や判例理論といった法的問題が複雑であることに加え、「瑕疵」に当たるか否かの判断において建築の専門的知見が必須であることです。つまり、建築瑕疵事件を取り扱う弁護士は、建築に関する専門書を読み込み一級建築士にも相談して方針を立てなければならず、多大や労力や時間がかかります。

特に、建築の素人である弁護士にとって難しいのは、問題となっている工事の内容が通常の水準から逸脱しているのか否かの判断です。これは建築の専門家でないと相場観も含めて分かりません。

本書は、弁護士と建築士による共同執筆という形で、建築瑕疵事件においてよく問題となる工事類型ごとに、標準的な施工方法と裁判例に照らして瑕疵となるケースをまとめたものです。これを読むことで自分が取り扱う案件の工事内容が標準的だったのかどうかある程度の見通しを立てることができ、建築士と協議をする際にも十分な予備知識を得ることができるでしょう。もちろん、訴訟をするにあたってはより専門的な文献にもあたる必要があるでしょうが、最初の見通しを立てる上のガイドとして最適です。

 

建築瑕疵事件を取り扱う際の必携書といえるでしょう。